間質性肺炎
間質性肺炎は、さまざまな原因により肺に炎症が起こり、硬く縮んで、息を吸い込むことができなくなる病気です。肺胞という吸い込んだ酸素を血液に溶かすための小さなブドウの房のような袋が炎症により壊れて固くなり膨らまなくなります。息を吸う力が低下していくことで、咳、息切れが起こります。
原因には、タバコ、粉じん、アスベスト、膠原病、お薬の副作用、特殊なアレルギー、放射線などがあります。
間質性肺炎の分類は非常に複雑ですが、原因による病気の呼び方が馴染みやすいと考えます。
病気の呼び方 | 原因 |
---|---|
特発性間質性肺炎、特発性肺線維症 | 原因不明 |
喫煙関連間質性肺炎、気腫合併肺線維症 | たばこ |
石綿肺 | アスベスト |
膠原病肺 | 膠原病 |
薬剤性肺障害 | お薬の副作用 |
過敏性肺炎、サルコイドーシス | 特殊なアレルギー |
放射線肺臓炎 | 放射線 |
検査
レントゲン、CT、血液検査、肺活量検査
レントゲンとCTで間質性肺炎の所見があれば間質性肺炎を疑います。生活歴、職業歴、喫煙歴、全身の診察から原因を探します。肺活量検査で息を吸う力を評価します。
定期的にレントゲン検査や肺活量検査を行い、病気の進行する速さ(肺が硬く縮んでいく速さ)を評価します。肺の内視鏡検査(気管支鏡検査)や手術による組織検査(外科的肺生検)が必要になる場合があります。
治療
原因が見つかった場合は、原因に合わせた治療をまず行います。
原因に関わらず病気が進行し肺が硬くなる様子があれば、抗炎症治療、抗線維化治療が必要になります。
抗炎症治療
肺が硬く縮んでしまう原因となっている炎症を抑える治療です。
炎症が強く起こるタイプの間質性肺炎にはステロイド剤、免疫抑制剤を用いた抗炎症治療が優先されます。
抗線維化治療
肺に起こった炎症の結果、その傷跡が治ろうとする過程で肺が硬くなっていきます。この硬くなる(線維化する)ところを抑える抗線維化薬により病気の進行緩やかにすることができます。炎症があまり起こらず、線維化が強く進行する特発性肺線維症(IPF)や進行する進行性線維化と伴う間質性肺疾患(PF-ILD)に対しては抗線維化薬が優先されます。